白薩摩焼・香炉(白薩摩焼きは殿様用の焼き物。その原料の白泥で染めた白泥染めストール)
白泥染TAOストール ¥59,400-税抜価格
NHK大河ドラマ・西郷どん https://www.nhk.or.jp/segodon/
今日で16回目の放送になるが、私は、毎回、熱くなって号泣することが多い。
最近では、島津斉彬役の渡辺謙を見るだけで、「殿〜!」と泣ける。
フィクションのドラマであることがわかっていても
すっかり魅了されてしまっている。
その島津家御用達の白薩摩の原料で染めている白泥染めのストール。(*白薩摩)
白泥染めは、白大島紬・色大島紬の中でも高級なライン、芸術性の高いものにしか
施されない染め。
希少性だけでなく、白泥染めには、薩摩藩主・島津斉彬の思いをも含んでいるようで
その白泥染で、ストールを製作していることが嬉しくなる。
*白薩摩は殿様御用達、黒薩摩は「黒もん」と呼ばれ庶民の器。
写真は、3年前に放映されたNHKの番組・ファミリーヒストリーから〜
もともと、
その白薩摩の原料の白泥を染色用に調合加工したのは、タレントの恵俊彰さんの
お父様でした。しかし、近年の着物離れなどから、2年前に白泥染めの染料の
生産が打ち切られることになった。
白泥だけで染めることは、つや消し効果(上品な色に変化)しか見込めず、
媒染効果としての色止め感が低いので、着物と違って
常用するストールには、特別な方法でしか染めることが必要。
それで昨年、研究をして、その堅牢度も高い染め方法を見つけたので、
ホッとしている。
白大島紬の中でも高級なラインにしか施されない白泥染め。
師匠の生多良から、後世に残すためのタイムカプセルだと、ストールに
白泥染めを施し始めたのが、2012年だった。
島津の殿様仕様の白薩摩。
大島紬の流れを引き継ぐ、
その白薩摩の原料で、
白泥染めのストールを制作するのは、
umu-wakaだけだよ〜。と師匠はいつも言っていた。
今後も、japan nudite・umu-wakaとして、白泥染めのストールを
大切に扱っていこうと思っています。
歴史文化のこと〜
2015年グランプリ受賞作・月光
私が恋い焦がれた月光の大島紬。月光の憧れで邁進したumu-waka
umu-waka、染めの師匠は大島紬染色家の生多良。
大島紬ならではの染めをストールに施す。
その背景から、大島紬の歴史、そして大島紬誕生地・鹿児島県奄美大島の歴史的背景
などを、私は、深く探求していた。
そこには、歴史的な背景から生まれる人間模様、そして人間性。
そして、その背景から独特の2つの大島紬が、その意匠が生まれる。
また、着物業界は、日本の資本主義の裏側の経済の悲しい事情が凝縮されて
いるようにも感じた。
そして日本の伝統文化に関わっていくと、その中に入っていくと、
伝統を残すだとか、美しい正義だけでは終わらないことも多く、
色んなジレンマを感じ、生多良ともそのことについて多く話したり、
語りきれない膨大な思いがある。このことは、japan nuditeで先々
綴っていこうかと思っている。
大島紬には、
地球儀マークの奄美大島の大島紬と、
日本国旗の旗マークの大島紬がある。
地球儀マークは、奄美大島の大島紬で、日本国旗のマークは鹿児島の大島紬。
もともと、1300年の歴史ある大島紬は、奄美大島のもので、
島津藩、薩摩藩の年貢として収められていた。
そして戦後、奄美大島がアメリカ領土となった時に、奄美大島には、
大島紬を織るための絹などの調達が難しくなった時に、アメリカが
その材料を調達したことから、アメリカに感謝の意味もあって
地球儀のマークになった。
(でも裏話は、あるんだ。奄美の通称アパッチさんという締機職人が関係しているが内緒)
そして鹿児島の大島紬の日本国旗のマークは、島津斉彬がデザインしたので
日本国旗(通称・旗マーク)を用いた。
戦後、奄美大島から鹿児島市(三和町)に移り住み大島紬を制作した職人も多い。
今でも、鹿児島市三和町はプチ奄美と言われ大島紬の職人さんが多く住む。
本場奄美大島紬と鹿児島の本場大島紬。
私は、奄美大島の大島紬の方が叙情的な感じがするので好きです。
鹿児島の大島紬は、男性的な感じがする意匠。
独特の感性がある。
生多良は、奄美大島の大島紬も、鹿児島の大島紬も、どちらも
手がけていました。
私も、奄美の親方さん、鹿児島の親方さんのところへ行く機会がありましたが
どちらに行っても、ライバル意識が強いなと感じていました。
そして奄美大島の特別な地質、鉄分の多い土壌の媒染効果で染められる
黒褐色の泥染め。
鹿児島の白薩摩焼の原料の白泥で染められる白泥染め。
どちらの泥染も、奄美、鹿児島のどちらの大島紬にも施されているのですがね。
japan nudite - 白泥染め
生多良との出会いから、大島紬の背景、大島紬が作られる気が遠くなるほどの
180工程以上で制作される大島紬。その気が遠くなるほどの工程を語れば
その工程の写真を見せても、図解にしても、膨大な時間をかけて話しても
理解不能になりそうな大島紬。
その理解不能なくらいな制作過程にも魅了された私ですが、
奄美大島の歴史にも、魅了されて探求にひた走った私。
薩摩藩からの年貢に苦しめられた債務奴隷(ヤンチュー)の歴史からか
幕末の背景、薩摩に関しては、あまりよろしくない印象であったのですが
今回、NHKの大河ドラマ・西郷どんを見るうちに
初めて、薩摩視点で感じることができた。
そして、島津斉彬像を身近に感じた。
また、
わかりにくい薩摩言葉も、
現在、鹿児島に住む生多良の影響か、それとも28年前の嫁ぎ先が鹿児島だったからか
ドラマの中の薩摩言葉・鹿児島弁も、理解しやすい、いや、身近に感じることも
なんだか誇らしく感じたりして。
waka-nuditéとして、新たに自分の色世界を染め始めた私ですが、、、。
umu-wakaとして、その日本の伝統文化、歴の中に身を投じないと
わかり得ないことを多く体験したこと、稀な出来事であると思う。
だからこそ、umu-wakaを生き続けていくことの大切さにも気づく今日この頃でした。
waka-nudité debut Exhibitionを終え
umu-wakaのロゴマークを見ると、まだ、力強く血液が流れていて
生命力を感じた時は、驚きました。
もしや過去に執着しているのか?などと、自身の心に
何度も問いかけた日々が続いていました。
ここ数日、
来春に向けて、色泥染をするためのストールの第一段階の染めをしていたのですが、
やはり、その白泥染と向き合うと、umu-wakaの生命力を感じるのです。
大河ドラマ西郷どんでは、西郷どんが、斉彬の意思を継ぐことを決意した本日。
生多良は元気ですが、なんだか感じてしまった。
文化を背負うとか、担うとか、そんな大それた志なんてものはなく
私の中のフィクション、ロマン、憧れとして
大島紬のこと、私の制作の中で大切な中心点としていこうと。
そんなふうに感じた満月前夜でした。
ドラマの背景にも白薩摩香炉が何度か登場
次の回からは島津斉彬(渡辺謙)が登場しないので寂しい。
殿〜!!!
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