今回のExhibitionは、台風20号接近で大荒れの中の設営。
台風が過ぎ去った次の日は、Exhibition初日。
台風一過の涼やかな日になるかと思いきや、蒸し暑い酷暑の再来の中での3日間。
まるで、ここまで来るまでの私自身の人生を物語るような天候でした。
特に今年は酷暑。
7月から、人間を超えるような染め集中の日々は、人間であることを忘れるような。
7月からの天候も、最高温度が体温越えとニュースが伝える温度が増すごとに、
私の染め集中の温度も日に日に増していき、酷暑の酷暑染めとなって行った。
Exhibition開催直前まで、自分が染液となって溶けてしまっても良いような感覚となり
Exhibition設営前日から、高熱のまま始まった。
ストールの仕事を始めてからのこの10年は、けっこう苦難続きであった。
特にこの5年間は、ありえないようなドラマ以上な事が起こり続ける日々は、
ジェットコースターとの格闘のような日々。
染める事でしか、自分を保つ事ができないような日々が、この2年間は、
まるで猛烈な台風の中を歩き続けるような日々だった。
染める事でしか、自分を保つ事ができなかった日常は、
私を、染めだけに向かわせるために起きていた日常の諸々であったように思う。
そして
その猛烈な台風の中を歩き続けているうちに、自身の様々な葛藤や選択、
心の中にあった余分なものを吹き飛ばして行ったように感じる。
Exhibitionを終えた後は、意識不明のような脳状態と肉体。
Exhibitionの撤去搬出の後、アトリエに什器をしまう時に重い角材が足の小指の上に落ち
爪が剥がれ、この数日、動けなかったけれど少しずつ人間に戻ると
色々な事が、色々な靄が消えてゆき理解が深まる。
台風が過ぎ去った初日の朝は、少し曇り空ではあったけれど
2日目の朝陽が差し込む大きなウインドウ。
woo me 色群たちが美しい光を放っていた。
この大きなウインドウのあるFLOATさんは本山四谷通りの坂を登りきった場所にある。
名古屋の本山といえば、三十数年前は、東京表参道、青山のようになると言われていて
20代初めの頃は憧れの街だった。
その後、25歳の時、デコレーターの仕事をしている時、ちょうどその頃は、クリエイティブな
仕事が多くなってきた頃だった。
本山の交差点から始まる四谷通りの坂の始まり、そこにあったファッションビルのショーウインドウ
のディスプレイから始まり、その四谷通りの西側にあったファッションビルは、
徐々に私が手がけるようになった。
そして、最後、坂を上がりきった場所にあったYOU YOTSUYAビル。
今回のExhibitionは、YOU YOTSUYAビルの3階にあるFLOATさんですが、
当時、1階がmarie ckaireというブランドのお店、2階がインポートショップ。
このビルのディスプレイを手がけて一つの時代が終わった。
そうそう、この四谷通りの坂で、ディボースしてしまったが、この坂で出会って結婚をした。
なんだか不思議だが、
ドラマティックな場所でのExhibitionの開催は、
私の中での、やはり大きな節目となった。
諸々の劇用のようなこの10年。
そして2年前は、見せられるストールが1枚もない。0枚になって、
故郷に戻って、穏やかな暮らしをとリノベーションをと、地鎮祭直前に母が歩けなくなって
足は治ったものの、確執が続き、精魂疲れ果て、染める事でしか自分を保てない。
何も見えなくなったような日々。大嵐。
酷暑の中、酷暑染目な日々は、
まるで、酷暑の中、坂道を駆け上がったような感覚がある。
皆様のお陰様で、大盛況となった名古屋でのExhibition。
5年ぶりのExhibition。
静かなものであろうとの予測していたが、有難い誤算。
Exhibitionの手伝いに入っていただいた、umu-waka初期からお世話になっている
かよちゃんは、私の代わりのように一喜一憂していた。
デコレーター時代の唯一信じられる仲間が、足を運んでくれた最終日。
最終日、終わり直前は、最近、盛り上げてくださっているお客様方。
その頃には、私のギガ数が残り少なくなっていて、
「今回!ストールが、色を真剣に求めている方!手を挙げて!!!」と。
そして、最終日の最後の静かな時間の時に、
umu-waka時代からのお客様。
ストールを愛してくださる彼女の思いに勇気付けられたumu-waka初期時代。
色々な事を降り帰る事もなったExhibitionでした。
染めることだけに自身を向かわせるために
母が悪役を引き受けてくれたんだろうと
そんな風に思ったExhibition終了後、
気持ち悪いくらい、母が優しくなった。
長く続いたジェットコースター付きの大きな台風。
坂を登りきって晴れた。
これからは、
落ち着いて、素晴らしい作品をきちんと創り。
お世話になった方々への感謝へと。
そして、その色達と共に世の中に貢献していきたいと思います。
皆様、
本当にありがとうございます。
若山 真由美
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