私らしさ


自分に戻ることができると感じた赤い車を契約した後は、無くしてしまった運転用メガネを

新調しようと新しいメガネを求めてファッションビルへと。

メガネ屋さんへ行く途中に以前、よくお買い物をしていたセレクトショップの前へ。

この数年で激太りをしてからは、着られないからと足が遠のいていた。

知っている顔のスタッフさんがいないことを確認して、こっそりお店へと入った。


このお店でお買い物をするようになったのは、30代前半の頃だった。

当時、もう30才を過ぎたのだから、大人にならなくては!と思い、真面目そうなお洋服や

小ぶりのピアスを。そして人と同じが嫌いだからと、ブランドバッグなんて持っていなかったけれど

モノグラム系以外のブランド物の初めて購入し、経営の勉強塾なんてもんにも入った頃。

しかし、なんだか息苦しさを感じ始めてていた。

そんな時に出会ったのが、このお店だった。直径8cmの大きなイヤリングはフランスデザイナーの

もの。そのデザイナーの生き方や、ものづくりの心具合、Collectionのストーリーが嬉しくて、

他にもハイブランドのデザイナーから、自身の表現をと独立したデザイナーのお洋服達に

出会い高揚。素敵に不思議なデザインの洋服やアクセサリーが一番似合う私にSHOPの方々も大喜び

だった。デザイナー、作家の顔や生き方が見える洋服やアクセサリー。

細部に存在する「素敵」達に出会って、私らしさを取り戻し、その後は、「wakaさんにしか似合わな

いだろう。」という洋服が勝手に取り置きされるようになった。



太ってしまってから、ずいぶんご無沙汰、足が遠のいていたこのお店。

知った顔がいないと確認して、お洋服達を手に取る。素敵がいっぱいで嬉しくなる。

試着する。太ったお腹でも入るスカートに大興奮。そして他の素敵なデザインの洋服達に

感激して大騒ぎ。素敵なお洋服を試着するたびに、顔のイキイキが倍々になって行くと

スタッフの方が大喜び。そして私も大喜びのお祭り騒ぎ。

「あ!その声は若山さんだ!!」と最後は顔なじみの店長に見つかってしまったが。。。


そして久しぶりに洋服で高揚する、感動する洋服と出会った。

台襟が普通のジャケットの2倍の高さで、そこから美しくフレアーの襟が流れるジャケット。

立ち上がった襟が、首に美しくフィットするパターン(型紙)の繊細さに大感動。

写真のスペインのデザイナーのお洋服です。


太ったからと、お腹の出っ張りがわからないお洋服、いつかは痩せるだろうと期待してドレスダウン

したお洋服ばかりを選んでいたこの数年。

やっぱり、感動のある、デザイナー、作家の顔が感じられるお洋服が好きだ。

自分が大好き以上のもの達と出会う時、自分らしさを知る。



その後も大好きなもの達と出会うことが続いた。

隠しようのない自分が存在する。

自宅やアトリエにあるインテリアや小物、スタイリッシュなもの、可愛いロマンティックなもの、

和物、カテゴリー、アイテムが全く違っても、全てに私がいる。

金太郎飴を切るように、どこまでも私がいる。


ストール達を見てもそう感じた。

ビビッドな色、シックな色、難しそうな和色、ただその色が存在するだけのストールにも

何かしら私の匂いがある。


今は、その再確認の時期なんだろうと感じた。

相反して、昔から「普通」に憧れる、普通に憧れて、突飛な個性に自滅して恋愛を諦めたこともある


冒頭のように、大人にならなくてはとか、真面目そうに見えるようにとか、色んな努力をした

時も多かったなと思う。面白いものですね。対極の価値観。


これから

waka-nuditéを描いて行く上で、今、きちんと、その自分らしい、そのソースを見る必要が

あるのだと。大切なその期間なんだと感じている。


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